こんにちは。わさだ治療院です。
今年のテーマ「アスリートの怪我から身体について学ぼう!」。今年も夏の甲子園は盛り上がりましたね。この季節に取り上げたいのが、肘のケガです。
前回お伝えしたアキレス腱断裂は、ある日突然「バチン」と切れるケガでしたが、今回の肘は、それとは対照的です。
多くの場合、少しずつ時間をかけて傷んでいきます。そしてこの「少しずつ」という性質は、テニス肘やゴルフ肘、家事や仕事で痛くなる肘と、まったく同じ仕組みなのです。
今年、プロ野球で相次いだ「肘の手術」
2026年シーズンは、肘の手術のニュースが続きました。
オリックスでは、エースの宮城大弥投手が5月にアメリカで左肘のトミー・ジョン手術(内側側副靭帯再建術)を受けたと発表されました。
トミー・ジョン手術は、大谷翔平選手やダルビッシュ有選手が受けたことで広く知られるようになりました。
傷んだ肘の内側の靭帯を取り除き、自分の身体の別の場所(手首などの腱)を移植して作り直す手術です。復帰までにはおよそ1年、長いリハビリが必要になります。
投手がこの手術を受けると実戦復帰までに一般的に1年以上かかるため、今季中の復帰は難しい状況です。同じオリックスの山下舜平大投手も右肘の靭帯再建術を受け、ソフトバンクの藤井皓哉投手も同じ手術で今季絶望となりました。
※宮城投手本人とミズノ ベースボール公式アカウントの共同投稿(侍ジャパン応援企画)
肘はどこが傷むのか
肘は、上腕骨(じょうわんこつ)と、前腕の橈骨(とうこつ)・尺骨(しゃっこつ)という3つの骨が組み合わさった関節です。曲げ伸ばしに加えて、手のひらを返す回旋の動きも担っています。

この関節を支えているのが、内側の靭帯、外側の軟骨、そして骨に筋肉をつなぐ腱(けん)です。投げる動作では肘の内側が強く引き伸ばされ、外側は骨どうしがぶつかり合います。
ここが大切なところですが、専門医によれば、投球で傷む肘の靭帯は、ある日いきなりバチッと切れるのではなく、小さな部分断裂をくり返しながら少しずつ弱っていくとされています。原因として挙げられるのは、投げすぎと、肘に負担がかかるフォームです。

つまり肘のケガは「事故」ではなく「積み重ね」です。ここが前回のアキレス腱断裂との大きな違いであり、同時に、私たちの日常の肘の痛みとつながる点でもあります。
子どもも大人も、肘は「使いすぎ」で痛くなる
この「少しずつ傷む」という肘の性質は、プロだけの話ではありません。まず知っておいていただきたいのが、成長期の子どもの肘です。

成長期の肘に起こる「離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん)」は、外側型の野球肘とも呼ばれ、10歳ごろの野球選手の2〜4%に見られるとされています。
やっかいなのは、初期に痛みが出にくいことです。「沈黙の障害」と呼ばれることもあり、症状を自覚したときには、すでに骨と軟骨がはがれてしまっていることも少なくありません。
早い段階で見つかればおよそ90%は手術をせずに治るとされますが、進行すると手術が必要になり、長く投げられなくなることもあります。

つまり「痛がっていないから大丈夫」とは言い切れないのです。お子さんが投球後に肘を気にする様子があれば、野球肘検診やエコー検査など、早めに整形外科などの医療機関で確認してください。
そして、この「使いすぎで少しずつ痛む」という仕組みは、大人の日常でもまったく同じように起こります。
・テニスのあと、肘の外側が痛む
・ゴルフのあと、肘の内側が痛む
・重い物を持つ仕事が続いている
・パソコン作業が長時間になる
・毎日、抱っこや料理で手を使う
はじめの二つは、それぞれテニス肘・ゴルフ肘と呼ばれるものです。いずれも、肘のまわりの腱がつく部分に小さな負担が積み重なって起こります。
プロの投手も、少年野球の子どもも、家事や仕事で肘を痛める大人も、本質は同じ「使いすぎ」です。
当院にも、テニスやゴルフのあとの痛み、抱っこや仕事による肘の痛みでお越しになる方が多くいらっしゃいます。肘だけを診るのではなく、手首や肩、姿勢まで含めて負担のかかり方を確認していくと、原因が見えてくることが少なくありません。
チェックしてみよう
次のような項目に、心当たりはありませんか?
□ 物を持ち上げると肘が痛む
□ タオルを絞ると肘が痛む
□ ドアノブを回すのがつらい
□ 手や指をよく使う仕事・家事が多い
□ 肘から手首が張って硬い
□ 子どもが投球後に肘を気にしている
複数あてはまる方は、肘のまわりに負担が積み重なっている状態かもしれません。使ったあとは前腕(肘から手首まで)をゆっくり伸ばして休ませること、痛みが出る動作を続けないこと、そして日頃から前腕の柔らかさを保っておくことが、予防の第一歩です。
肘の痛みは「そのうち治るだろう」と我慢されがちですが、積み重ねで起こるものだからこそ、早めに手を打つほど回復も早くなります。強い痛みやしびれがあるとき、肘が伸びきらないときは、まず整形外科などの医療機関を受診してください。

お身体のことお気軽にご相談ください
・身体の痛みや違和感を感じることがある
・不眠やお腹の不調など自律神経の乱れがある
・自分にあったセルフケアが知りたい
こんな方はぜひご相談ください。

また、症状が重篤な場合は「その他に重大な疾患が隠れていないか」を明確にする必要があります。
場合により医療機関で、X線(レントゲン)撮影・MRI・筋電図・血圧測定などの検査を行い、その他の疾患の有無を調べる必要があります。
当院では画像診断等を行うことはできませんが、細かな問診と検査によって「私たちでお力になれるかどうか」の判断を行います。
可能と判断すれば、方針とプランをご提案します。
●『姿勢や関節』が原因の方
➡「カイロプラクティック」や「SOTブロック」で土台となる骨盤や支柱となる脊柱の施術を行います。
●『筋肉の緊張』が原因の方
➡「鍼」や「物理療法」で緊張を緩和して血流改善のための施術を行います。
●『ストレス』が原因の方
➡「クラニアルセラピー」で自律神経を調整するための施術を行います。


